「近代建築って何?」あなたも建築通になれる!|ル・コルビュジエを見尽くす旅|パリと近郊の近代建築の旅|フランス政府公認ガイドikko
いこいこikko いこいこikko
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 Published On Feb 2, 2023

今回のテーマはパリと近郊にある「ル・コルビュジエの建築めぐり」です。2016年にユネスコの世界遺産に「ル・コルビュジエの建築作品群-近代建築への顕著な貢献」として7か国の17の物件(うち10件はフランス)が登録され、その中に東京上野にある国立西洋美術館が入っていたので注目を浴びました。
ル・コルビュジエは1887年生まれ、本名シャルル-エドゥアール・ジャンヌレ-グリ(Charles-Édouard Jeanneret-Gris)といい、スイスからフランスに帰化した人です。弱視だったために時計の文字盤職人だった父の跡を継ぐのを断念、美術学校在学中に才能を見出され建築家に転身します。しかし肩書は「建築家」に収まり切れず、生涯絵は描き続けましたし、写真家でも工業デザイナーでもありました。また1920年にはピュリズムの画家オザンファンなどと雑誌「レスプリ・ヌーヴォー」を出し独自の建築論などを発表したり、新しい都市のあり方などを追求した都市工学者でもありました。彼の貢献があったからこそ今日の都市景観や美しい近代の建物が生まれたということもあり、「近代建築の父」と呼ばれるのにも納得がいきます。

スイスから1908年にパリに来て、鉄筋コンクリート建築の先駆者オーギュスト・ペレの元で働き、また1910年にはドイツでペーター・ベーレンスの事務所にいたというル・コルビュジエ。1914年に「ドミノシステム」という鉄筋コンクリートを用いた画期的な住宅建設方法を発表します。
1922年には従弟のピエール・ジャンヌレと建築事務所を構えます。
この1920~30年代という時代は、その少し前に流行った様式アール・ヌーヴォーの工芸的で植物の線やモチーフを用いた緩やかさとは違い、より工業的、無機質、実用的、機能的といった言葉で言い表せる様式がもてはやされた時代です。ちょうど自動車、飛行機、豪華客船や各種の家庭用電化製品や近代都市生活が生まれ、進歩した機械を思わせる装飾なしのデザインが新しい美意識となったのです。
ル・コルビュジエの名言「住宅は住むための機械である」というのもそんな時代背景だからこそです。住宅は機能的で使い勝手がよければいいという感じでしょうか?(余談ですが、木の家具を愛したというサヴォア邸の夫人ユージェニーはル・コルビュジエの造った家具は好まなかったそうです。確かに、ル・コルビュジエの建築にはカントリー風やルイ王朝の家具は合いませんよね!こればかりは好みの問題ですが)

しかし若い頃から1965年に77歳で亡くなるまで、ル・コルビュジエのスタイルは一貫しています。見学を続けるうちにドアを開けるとタンスと洗面所というのにもだんだん驚かなくなってきました。そして「ピロティー!」と発音すると楽しくなってきました。☆
私とご一緒にル・コルビュジエめぐりをしながら、建築が大好きな方もそうでない方も楽しんでいただけるといいなと思っております。

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