拝啓　田村正和様
1943.8/1〜2021.4/3(77)京都・太秦生まれ。9歳の時に阪妻こと父・阪東妻三郎(1901〜1953/51歳)が死去、世田谷に引っ越す。1961年デビュー。

田村正和さんが象徴していたものとは何だったのでしょうか。第二次大戦により断ち切られた系譜の数々。
歌舞伎など伝統芸能は、その伝統によって(または直接的？間接的な税金の投入によって)系譜を繋いでゆくことができますが、戦前の映画界はまだ産声をあげたばかりの新しい娯楽。それ故の活気や力強さでなんとか系譜を繋ぎ、生き延び、今日に至ります。

その日本映画創世記・最初のスターの一人で、6大時代劇スターの一人でもあった父・阪東妻三郎。
6大時代劇スターの嗣子・跡取り達の中で、最も成功され有名だったのが田村正和さん。

阪妻から田村正和さんへの日本エンターテイメントの系譜は、伝統によってではなく、そしてただ単に父から子への世襲でもなく、田村正和さんの役者としての”才能”によって繋がれた、エレガントな系譜だったのではないでしょうか。

田村正和さんが象徴していたもの。それはエレガントさの象徴、才能によるエレガントさの象徴。
戦後復興から60年代の経済成長、そして経済大国になってゆく過程は、泥臭い時代だったと思いますが、そんな時代をエレガントに生き、常に憧れの存在であり続けた田村正和さん。
ご冥福をお祈りします。


派手な事を好まなかった方だったそうで、アレンジもシンプルにしました。前作の嗚呼パブロ・エスコバル(   • 🍎嗚呼 パブロ・エスコバル  (LYRIC VIDEO)  )では初めてピアノを入れませんでしたが、今作ではアコギを抜いてみました。
写真は、いつも通りフリー素材を使っています。