持病のあるウクライナ人が福岡に避難…必要な支援は?
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 Published On Apr 22, 2022

ミサイルや爆撃によるロシアの攻勢が強まる中、ウクライナ東部で暮らしていた夫婦が福岡県内に住む娘のもとに身を寄せた。喘息の持病があり現地の障害者手帳を持っている。日本で安心して暮らしてもらうための支援とは――。


今月19日、ウクライナから福岡空港に到着した、シデンコ・ウラジミールさんと、イリーナさん夫婦。戦局が激しさを増すウクライナ東部、ドンバス地方のスラビャンスクに住む2人を娘の黒川カリーナさんが呼び寄せた。空港では到着を待っていた孫たちと再会できた喜びを分かち合った。

「ウクライナから出発して12日目。やっと日本に着いて安心できるかな」(娘の黒川カリーナさん)

その後、外国人の支援にあたる福岡市博多区の非営利団体を訪れたシデンコさん夫婦。入国した時の「短期滞在」の在留資格を就労や健康保険への加入もできる「特定活動」に切り替えることを希望した。

夫婦は30年近く前から喘息(ぜんそく)を患い、現地で発行された障害者手帳も持っている。日本で暮らすうえで必要な手続きに迅速に対応しようと非営利団体が支援する。

「今回は両親とも持病があるのですぐに医療機関の受診が必須。急変する可能性があるので早めの医療機関のサポートが必要になってくる」(外国人支援NPOグローバルライフサポートセンター・山下ゆかり代表理事)


シデンコさん夫婦は、娘のカリーナさんの自宅そばにあるマンションを借りて福岡での生活を始めた。暮らしていたドンバス地方は、ロシア軍が攻勢を強めて物資が不足していた。この先、現地にいては十分な医療を受けられないおそれがあったことが福岡へ呼び寄せた最大の理由だとカリーナさんは話す。

「これから戦いが激しくなるので救急車も来ない。お父さんとお母さんは持病があり障害がある。何かあったときに救急車も来ない。それが一番不安だった」(娘のカリーナさん)
「病気のことはあまり心配していない。日本の病院にちゃんと任せる」(避難してきた母親シデンコ・イリーナさん)


一方で夫婦には長年住み慣れた家にもう戻れないかもしれないつらい思いもある。

「今まで何十年も生活してきた家は、何も困ったことはなかった。家の鍵を閉めて絶対戻らない気持ちで出発した。爆弾が落ちたら全部なくなるとか、そればっかり考えている。でも戻ることができないのは分かっている。家のことが一番つらい」(避難してきた母親シデンコ・イリーナさん)


「嬉しかった。ずっと電話でしか話してなかったから直接会えて感動した」(孫)
「万が一具合悪くなった時にすぐに行けるように、何かあったときにすぐ対応ができるようにする。部屋の中に閉じこもっていたら寂しくなり帰りたい気持ちになって、でも帰るところがないからストレスがたまらないかなとか…。そこをまずは考えたい」(娘の黒川カリーナさん)

ロシア軍の侵攻に翻弄され、遠く離れた福岡で暮らすことになったシデンコさん夫婦。久しぶりに会えた娘や孫たちの笑顔が心の支えになっている。

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