「1人も職人がいないのはもったいない」東北“唯一”の竹刀職人の想い【現場から】|TBS NEWS DIG
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 Published On Jun 2, 2024

シリーズ「現場から、」です。全国に十数人しかいないという剣道で使われる「竹刀」を作る職人。その中に、東北で唯一の職人が宮城県仙台市にいます。定年退職後に職人になった男性。その想いとは。

仙台市の加藤明彦さん(69)。剣道で使う竹刀を作る職人です。

竹刀職人 加藤明彦さん
「1枚の竹をこうやって8つに割って、竹刀で言うとこれが2本できる形」

本格的に竹刀づくりを始めたのは、60歳の定年退職後。師匠である先輩職人・西野勝三さんの一言がきっかけでした。

竹刀職人 加藤明彦さん
「宮城の竹を十数年前に初めて持って行った時に『こんなに良い竹見たことない』って、日本一だって。その日本一の竹があるところに1人も職人がいないのはもったいないって」

かつては全て職人が手作りしていた竹刀。しかし、機械で量産する安価な外国産に押され、今、国産のものは全体の1%にも満たないと言われています。

職人も減り、全国に十数人、東北には加藤さんただ1人です。

材料の真竹は、全て手作業で切り出しています。本来は竹が乾燥している冬にしか行いませんが、特別に切り出しを見せてくれました。

竹刀職人 加藤明彦さん
「風や雪にいじめられるからすごく強い竹ができる。質、強さ、粘り、打った時の音、宮城の竹が日本一。ほかは比べ物にならない」

加藤さんの竹刀はフルオーダーメイド。ミリ単位まで客の好みに合わせます。竹を大まかに削った後は、「矯め」と呼ばれる工程。竹を炙って曲げ、真っすぐにしていきます。

竹刀職人 加藤明彦さん
「こんなに曲がっている。これが真っすぐになる」

さらに何段階にもわたって削ります。

竹刀職人 加藤明彦さん
「(出来上がった竹刀を)渡した時の嬉しそうな顔を見た時、やって良かったなって本当に思った」

全国から注文が来るまでになった加藤さんですが、今、心配していることがあります。

竹刀職人 加藤明彦さん
「宮城では竹刀を作る人がいないということになるので、誰か後継者がほしい」

自身も剣道七段の腕前。仲間たちも加藤さんの竹刀を愛用しています。

八段
「私はもう今は彼の竹刀一辺倒」

竹刀職人 加藤明彦さん
「(竹刀づくりが)幼稚な時からお金を払って使ってくれた。(仲間に)育ててもらった恩は本当にありがたく感じている」

渾身の1本を追い求め、きょうも竹刀づくりに励みます。

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