【きょうのオハナシ】”期待しない生き方” 須磨寺 副住職 小池陽人さん
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 Published On Apr 19, 2021

仏教の修行には「六波羅蜜(ろくはらみつ)」という6つの修行があるんですけれども、
その第1が「布施波羅蜜(ふせはらみつ)」という修行でして、これは施しを意味します。
ただの施しではなくて、ひとつ大事な条件が付くんです。
これは何かといいますと「見返りを求めない」ことなんです。

つまり、仏教では「善行を積極的にやりましょう」と説くわけですけども、そこに大切な条件があって、見返りを求めないということなんですね。
どれだけ素晴らしいことであっても、見返りを求めてそれをしたならば、いずれ悩みを生む原因になってしまうんですね。

私もそういう心になってしまうことがあるんですけど。
例えば笑顔で「おはようございます」と挨拶をしますね。
それで返事がきたら気持ちが良い人間関係が始まるわけですけども、中にはこちらが声をかけてもスッと通り過ぎていってしまう人もいる。

その時にイライラしてしまうこともある。でもこれは期待してしまっているわけです。
自分があいさつをしたんだから、相手も挨拶を返すべきじゃないかと期待してしまっているんですね。
せっかく挨拶をするという良いことをしているのに、それが悪い心に陥ってしまっているという、すごく残念な結果になってしまう。
これが期待しないことの大切さだと思うんです。

どう考えればいいのか、自分がどういう人間になりたいかということを考えた時に、笑顔で気持ちよく挨拶できる人間でいたいと思うならば、挨拶をすればいいんです。
その結果相手から返事が返ってこなくても、「挨拶できる人間でありたい」という自分の目標は達成されているわけですから、もうそれで十分なんですよ。
なのに「挨拶が返ってこない。なんでや?」と思ってしまったりする。
これがまた思い通りにならないということでイライラを増長させてしまう。

仏教では「一切皆苦」、全ては思い通りにならないという教えがあります。
自分さえも思い通りにならないのに、相手を思い通りにしようなんてすることはおこがましいことではないか。
だからこそ見返りを求めない、期待しないで生きていくほうが、実は楽に生きられるんではないでしょうか。

私が大好きな故・樹木希林さんの言葉を紹介したいと思います。
樹木希林さんは娘の也哉子さんにこうおっしゃっていたそうです。
「自分がやりたいからやる。そういう心持でいなさい。やってあげているなんておこがましい。」
そういう風におっしゃていたそうです。

自分がやりたいからやる。その見返りを求めない。そういう生き方をしていきたいものであります。

「見返りを求めない。自分がやりたいからやる」

ありがとうございました。

キャッチ+のコーナー【きょうのオハナシ】
“期待しない生き方” 
須磨寺 副住職 小池陽人(こいけ・ようにん)さん

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