Published On Sep 27, 2024
✿初公開✿
当チャンネルはこの度、五周年を迎えることができました。チャンネル登録者数も七百五十人を超え、最も再生回数が多い動画は一万回を超えました。
三日坊主の私がここまで続けてこられたというのも、毎回ご視聴いただき、或いはコメントを送って下さる皆様に励まされているからに他なりません。これからも、色々な分野のレコードをデジタル化し、後世に伝えてまいりたいと思います。
以下に分かりやすいよう、新仮名遣いで歌詞を掲載しておきます。
✿『虫の音』
〽虫の音を とめて嬉しき庭伝い
開くる柴折戸 桐一葉
ええ憎らしい 秋の空
月はしょんぼり 雲隠れ
✿『晩に忍ばば』
〽晩に忍ばば 背戸屋の小窓
打つや砧の 浮き拍子
様が来たかと 窓から見れば
様は様じゃが お月様 しょんがえ
虫の音が涼し気な季節となってきましたね。『虫の音』では桐一葉と出てきますが、「昔は娘が産まれると桐の苗を植え、嫁ぐ際にそれを伐って嫁入り道具の桐箪笥にした」という話を聞いたことがあります。桐は耐火性があり、火事で表面が焼けても内側は無事で、表面を削り直して再度使えたとか。
『晩に忍ばゝ』は江戸時代からある「しょんがえ節」の一種で、これは歌詞の終わりに「しょんがえ」や「しょんがいな」という囃子詞が付けられた曲の総称であり、昭和初期の流行歌『大江戸出世小唄』もその末流に当るといえますから息の長い流行ですね。
このレコードでは曲の題は「『秋』…晩に忍ばゞ」と表記されていますが、「ゝ」の用法としては濁音のあとに同音が続く場合、濁点を打たないのがルールのようですから『晩に忍ばゝ』が正しいことになります。私は当時生きていたわけではないので分かりませんが、表記の揺れやミスということも考えられますが、他にも『晩に忍ばゞ』と表記している例が散見されるので気になりました。実際はどうだったのだろうか。
小唄
三味線 とよ春・とよ峰寿
囃子 望月太意之助社中
音盤番号 B 311 2213798