遠くへ 1973年・春・20才 /浜田省吾
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 Published On Oct 8, 2022

「遠くへ」は1986年にリリースされたアルバム「J.Boy」に収録されています。

前半は、僕が好きだったあの娘との話し。 恋を失くしたあの娘と初めての夜を過ごした僕の寂しさ(みじめさ?)が語られます。
中盤以降の歌詞に出てくる「紺と銀色の盾」は、紺色の制服とジュラルミンの盾のこと。そう、学戦運動で学生が対峙した機動隊のことが表現されています。 

「紺と銀色の盾の前で 
空を仰いで祈り続けた 
神よ 僕等に力を貸して 
でなけりゃ今にも 倒れてしまいそう
 
振り向くと遠くに あの娘のまなざし 
笑っているのか 泣き出しそうなのか 
違い違う 
こんなふうに 僕は 
打ちのめされるため に生きてきたわけじゃない」

学生運動に倒れた僕たちの悲しみが歌われています。 青春群像詩です。
僕は浜田さんよりも少し後の世代で、どちらかと言えばノンポリ、モラトリアム世代ですが、この歌を聞くと目頭が熱くなる。
それはたぶん「紺と銀色の盾」は単に機動隊だけでなく、いつの時代にもあてはまる、若者たちが遭遇する抗いようのない全ての困難を投影しているからでしょう。
それは例えば、差別であったり、貧困、病、いわれなき強制、いま行われている戦争もまたすべてそうでしょう。
「遠くへ 遠くへと願った日々 
まっすぐに見ておくれ 
僕は泣いている 
君のために」

若者は遠くへ遠くへ行くことを願います。
なぜ僕は君のために泣いているのでしょう? それがいつも疑問で残ります。
学生運動に巻き込まれて亡くなってしまったのか? それとも傷ついた彼女もまた遠くへ去っていったのでしょうか?
これは浜田さんの創作詞です。 事実ではないでしょう。 でもモチーフはあるのではないかと思っています。

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