女声合唱組曲「秘密の花」(作詩:大手 拓次 作曲:西村 朗)1. くちびる 2. 道化服を着た死 3. 髪 4. ゆび l  5. ゆび ll(終曲) 西村朗先生有難う御座いました/Chor June
甲田潤 甲田潤
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 Published On May 15, 2021

女声合唱組曲「秘密の花」
作詩:大手 拓次 作曲:西村 朗

1. くちびる(夜の脣)
2. 道化服を着た死(道化服を着た骸骨)
3. 髪(ひとすぢの髪)
4. ゆび l(春の日の女のゆび)
5. ゆび ll(終曲)(頸をくくられる者の歓び)

 詩人、大手拓次(1887~1934)の詩集「藍色の蟇」の序文で北原白秋は、こう語っています。
 “蒼白の面に、而も一脈の妖美をひそめた尼僧のように羞かみ、或は緬羊の衣を着て、春の夕映の下によろぼふ托鉢僧のやうに吐息した君は又、白い狼をその背に吼えさせたり、ぽうぽうと手にも足にも草を生やしたりしてつぶやいた。さうして君は独身で生涯を畢った。言葉を変えて云えば、君の詩は独身の肉体に咲いた幻想の華であった。”
 また、作曲者の西村朗(1953~)は、この作品の解説の中でこう述べています。
“大手拓次三部作と云える連作合唱組曲「まぼろしの薔薇」「そよぐ幻影」「秘密の花」。そこに私が書いた音楽は、時に妖しげで、また少々耽美的でもあるが、拓次の世界に比べると全く平明である。拓次の詩にもっと入り込んだ音楽をつけてもよかったが、私はそれをしたくなかった。許されるなら、なるべく平明に、清潔感、透明感を保って、この詩人の詩句をうたってみたかった。私の中に巣くう、暗く、病的な拓次的世界に少し健康な風を送り込みたかったからだ。”
 曲は“夜の神秘の中で官能的に、孤独に陶酔して”歌われる“秘密の花の主題”の『くちびる』、「そよぐ幻影」の中の「白い狼」と対を成し、大正ロマンのようなレトロ調をも加味した『道化服を着た死』、純情の抒情歌の『髪』、「まぼろしの薔薇」の“白薔薇の動機”が現れ幻想的に歌われる『ゆびⅠ』、異常な雰囲気の中、怪鳥がゲラゲラと鳴き、首が幽霊船のようにのたりのたりと漂い、“秘密の花の主題”のあとに“花の愛の主題”が歌われる『ゆびⅡ』の5曲から出来ています。



[指揮]甲田潤
[ピアノ]長尾博子
[合唱指導]弓田真理子
[合唱]Chor June

Chor June公式ホームページ:https://chorjune.jimdofree.com/
Chor June連絡用アドレス:E-mail: [email protected]

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