【衝撃】札幌市民の森「白旗山」で大規模伐採!誰が?何のために?そして何が行われているのか?真相に迫る!【もんすけ調査隊】・・・(今日ドキッ!2024年10月4日放送)
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 Published On Oct 4, 2024

HBCアナウンサー 大竹彩加
「人知れず進行していました。」

札幌市民憩いの森・白旗山が今、無残な姿に!
生物への影響や災害の危険性を訴える声も。
一体、何が起こっているのでしょう?

依頼人(きよみさん・50代・札幌在住)
「白旗山の森が荒らされています。なぜ、こんなことになっているのか?調べてください」

白旗山は、札幌の郊外にある標高321mの山。自然観察や散策が楽しめる市民の憩いの森だ。
しかし今、その美しい森が危機に瀕しているという。一体何が起こっているのか?

調査員
「ありました!木がなぎ倒されています。根こそぎ倒されています」

そこには心が痛むほどの荒廃した景色が広がっていた。
倒れた木々が、痛々しいほどに散乱している。
緑豊かな森が一面の荒野へと変わってしまっていた。
6年前の画像と比較すると、森が消失していることが一目瞭然。

日本野鳥の会 札幌支部 猿子正彦 支部長
「いやこれはちょっとひどいわ・・・」

長年にわたり白旗山の自然を見守ってきた。
日本野鳥の会 猿子支部長の言葉には怒りと悲しみが。

日本野鳥の会 札幌支部 猿子正彦 支部長
「この辺でクマゲラもよく飛び回っていた。あとエゾライチョウが脇道から親子連れで出てきていたが、もう全滅ですね。どうするのかなー」
調査員
「奥の木じゃダメなんですか?」
日本野鳥の会 札幌支部 猿子正彦 支部長
「枯れ木の中に巣を作る鳥が多いので、奥の方は若すぎる」

コチラは、この場所で撮影されたクマゲラの映像だ。
猿子支部長によると、かつてこの森には、国の天然記念物であるクマゲラが営巣し、
北海道の準絶滅危惧種エゾライチョウの親子が遊んでいた場所だという。
伐採された木々の中には、多くの鳥たちが巣を作り、命を育んでいたのだ。
さらに調査を進めると、至るところで大規模な伐採が行われていたのわかった。

日本野鳥の会 札幌支部 猿子正彦 支部長
「大雨が降ったら濁流になって、下に一気にいくんじゃないですか。崖地だから」

木々が切り倒されたことで、土砂災害の危険性も高まっていると指摘。

日本野鳥の会 札幌支部 猿子正彦 支部長
「今まで白旗山を大事に守り育てましょうって盛んに言っていたんだけど、これだけでぶち壊しですね」

一体、誰が何のために森を破壊しているのか?
伐採現場近くで森林を整備していた人に尋ねると・・・

森林整備の職員
「あれは札幌市が行っている皆伐という作業です」

皆伐とは、特定区域の木々を一度に全て伐採してしまう方法で、
札幌市による事業だという。
これまでに12か所、30万平方メートルもの森が皆伐されていたのだ。
そこで白旗山を管理する札幌市を直撃した!

調査員
「なぜ木が切り倒されている?」
札幌市みどりの推進部 西村広太 担当課長
「白旗山自体が1913年にカラマツの苗木を植栽して皆伐を進めるというところから始まっている。50年後を目途に再び皆伐するという事業を進める予定」

札幌市によると、白旗山は、もともと林業のために作られた山林で、
50年前から伐採を前提に育てられていた森だという。
1970年代に国産木材の需要が低下し、
一時的に伐採を休止していたただけとのこと。しかし・・・

札幌市みどりの推進部 西村広太 担当課長
「2020年度に札幌市がゼロカーボンシティを宣言し、地域材の需要の高まりだとか、より一層森林の整備を進めていくということを踏まえて、木材を生産するゾーニングに変更しました。2023年度が約2500万円、2024年度が3100万円で売却されています」

ゼロカーボンとは、温室効果ガスの排出ゼロを目指す政策で、
札幌市はゼロカーボンシティの実現や地域材の需要の高まりなどを背景に、
昨年度「森林整備計画」を改定、本格的な林業の再開へと舵を切った。
その結果、この2年間で札幌市は5700万円もの収入を得ているのだ。

また国から振り当てられる森林環境譲与税があるので
積極的に森林整備を行わなければならない事情も。
その一方で、札幌市への批判は日に日に高まっている。

札幌市民
「皆伐は絶対阻止したい。良い木も悪い木も全部切る。札幌市は何をやっているんだと。白旗山は環境林ですから、これは守らなくてはいけない。怒りを込めて今に至ります」

今や札幌市民の怒りは、反対集会にまで発展しているのだ。

札幌の自然を守る会 梶田清尚 代表
「森林というのは、札幌市のものだけでなく、日本国民の財産。札幌市だけ、役所の中だけで伐採を決定するのは、相当問題がある」

市民団体は、市民の許可なく森林の伐採を行った札幌市に問題があると指摘。
市民の声は札幌市に届いていないのか?

札幌市みどりの推進部 西村広太 担当課長
「昨年、森林整備計画改定時に、市民から意見聴取する期間を設けましたが、特段の意見はなかった」

札幌市は、ホームページで1か月間の意見募集を行ったが、
特に意見がなかったので皆伐を実行したと説明する。
一方で、「ゼロカーボンのため」という札幌市のそもそもの主張にも疑問の声が・・・

札幌の自然を守る会  鈴木直樹さん
「真逆のことをやっている。排出が多いことになって、ゼロカーボンにならないと計算でも出てくる」

市民団体の試算では、白旗山の皆伐は、吸収量より排出量の方が多くなり、
かえって二酸化炭素を増やす結果になると主張している。では札幌市の根拠は・・・

札幌市みどりの推進部 西村広太 担当課長
「個別の計算は行っていないが、都心でも炭素を固定しつつ、山で新たな木を植えることで、炭素を吸収できるという理論に基づいてやっている」

札幌市は、根拠となる具体的な数字は持ち合わせていなかったのだ。
そして最も深刻な問題、希少生物の森を伐採したことについては・・・

札幌市みどりの推進部 西村広太 担当課長
「特に環境調査も行っていないが、極力、環境に負荷のかからない方法で取り組んでいる。」

希少な動物たちが暮らしていた森を、札幌市は調査もせずに皆伐していたという。

札幌市みどりの推進部 西村広太 担当課長
「森林機能を維持していく中で重要な手法の一つとして、皆伐を行っていきたいと考えている。皆伐には市民の理解が欠かせないので、しっかり周知しながら理解してもらえるように努めていきたい」

白旗山の未来は、どうなってしまうのか?

HBCアナウンサー 大竹彩加
「調査結果です。白旗山の木が伐採された土地は、札幌市が行った皆伐の跡でした。森林政策に詳しい北海道大学の庄子教授によると、植林をして木を育てていく段階では間伐と言って林が樹木で過密にならないよう一部を伐採します。木が成長したら今回の皆伐という一定区画の木を切り倒し木材に利用するというのが、林業では一般的な手法だということです。その一方で文化庁によると、一般的な話として『もしクマゲラが営巣する森を伐採し、【著しく種の保存を脅かす行為】と専門家に判断された場合、文化財保護法違反になる可能性もある』ということです。」

調査依頼はこちら↓
http://lin.ee/pYvxEEm
https://www.hbc.co.jp/news/chousatai/

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