滝谷四尾根を出合から登った時の動画です。
出合から稜線へ抜け、奥穂高岳からジャンダルムを経て西穂高岳まで縦走しました。
【山行日】2021.9.10〜12

DAY1：新穂高温泉〜滝谷出合〜スノーコル（テント泊）
DAY2：滝谷第四尾根〜涸沢岳〜穂高岳山荘（テント泊）
DAY3：穂高岳山荘〜奥穂高岳〜ジャンダルム〜西穂高岳〜新穂高ロープウェイ

日本を代表するスーパークラシックルート・滝谷第四尾根。上條嘉門次をして「鳥も通わぬ滝谷」と言わしめた急峻で陰惨な岩壁。日本の登攀史において数々の伝説が残る場所だ。
せっかくやるなら出合から詰め上がりたいと数年来あたためてきた計画を実行に移した。
初日の天気は良好。滝谷出合から仰ぎ見る荒々しい稜線に気が引き締まる。
雄滝、ナメリ滝を越え、C沢を詰め上がる。雪渓も少なく条件が良かったので順調に進んだ。
滝谷のど真ん中、圧倒的な岩壁に囲まれたリッジの上で素晴らしい夜を過ごした。
２日目、まさかの雨。岩壁は濃いガスに包まれ、陰惨とした雰囲気が漂う。
気持ちが折れそうになるのを奮い立たせて取り付いた。
登攀グレードは３級〜４級。
乾いていれば快適なんだろうけど、ヌメヌメに濡れた岩はフリクションが効かず、16kgのフル装備を背負っての登攀は厳しかった。
おまけに、岩は脆く崩れやすいまさに岩の墓場だ。
ビレイ中は寒くてガタガタ震え、クライミング中はツルツルの岩に苦戦した。
それでもなんでか、自然と笑顔になってしまう。心が静かに燃えてるのを感じる。
最後の核心を越えて、縦走路に抜けた時はめちゃくちゃ嬉しかった。
計画ではそのままドーム中央稜に継続登攀するつもりだったけど、十分お腹いっぱいになったので、穂高岳山荘へ。
テント場では、いくつかの偶然の出会いもあって楽しい夜を過ごした。
３日目、夜明け前に登り始め、奥穂山頂でご来光を眺める。夜から朝に変わる時のドラマチックな時間がたまらなく好きだ。朝日に染まるジャンダルムがかっこいい。
そこからは日本最難の縦走路と言われるだけあって、なかなか厳しい岩稜が続く。
荷物は重いし、３日目の疲労が溜まってロープウェイ駅に着いた時にはヘロヘロだった。
久しぶりに出し切った充実感。素晴らしい山旅でした！

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