ファサードラタンについて解説します
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 Published On Oct 4, 2024

今回はファサードラタンについて解説します。

木製外壁の中でも、ファサードラタンが最近人気です。木製外壁は、最近再評価されており、意識が高い人やおしゃれな人たちに好まれて選ばれている印象があります。ファサードラタンを知らない方も多いようなので、今日はそのことについて解説していきたいと思います。

「ファサードラタン」という言葉だけではイメージしにくいと思いますが、これは木製の板張りになっている木製外壁で、これをすのこ状に張ったものです。すのこというのは、昔、学校の上履きを履き替える場所に敷いてあった板のことです。それを壁に張ったイメージの壁の構成になります。この絵を見てください。私がこのファサードラタンを初めて強く認識したのは、尊敬する秋田の西方設計の西方里見先生のおかげです。西方先生には親しみを感じていて、まるで親戚のような感覚さえあります。西方先生は、ゼロエネルギー住宅やエコ住宅など、今では当たり前に言われていることを、早くから実践してきた方です。設計者には、ただ設計するだけの人もいますが、西方先生は違います。

西方先生は現場で試行錯誤を繰り返し、失敗も隠さずに共有し、どのように改良したかを惜しみなく若手や同業者に教えるすごい人です。彼は多くの本も書いており、私も何度も読み返し、たくさんの付箋を貼って勉強しました。建材選びや設備の提案においても、単なる売り込みやタイアップではなく、本当に良いものを教えてくださるので、多くの人々から尊敬されています。

西方先生はパッシブ設計にも精通しており、断熱や気密についても詳しいのですが、ファサードラタンについても高く評価されています。ファサードラタンは、多くの場合、杉材が使われます。西方先生は秋田出身で、秋田杉の素晴らしさをこよなく愛しており、その魅力をPRしています。私も西方先生を通じて秋田杉を知りました。ファサードラタンは見た目がかっこよく、しかも質が高いです。格子状で、すのこ状に張られた木材は、一般的には縦格子か横格子が使われます。同じ幅の木材を均等なリズムで張る方法もありますが、幅広と幅狭を交互に張るやり方もあります。この前、モデルハウスで見たのですが、小暮さんは幅広の横格子のスタイルを採用していました。また、強弱をつけたデザインにもできます。変わったところでは、斜め張りもあります。斜め張りは見た目がかっこいいだけでなく、筋交いの方向でTIP工法のような役割を果たします。

昔、建物の下地としてバラ板を斜めに張り、耐力壁のように壁全体を強化する工法を行っていた方々がいました。それは、面材を使用していないけれど、面材を使ったかのように強い構造を持つ外装材のような感じです。もちろん、構造計算に入れるかどうかは別問題ですが、実際には釘で躯体に固定されるため、耐震性にも一定の効果があると思います。かっこよくて、しかも地震にも強いという、一石二鳥の工法ですね。

また、西方先生が「ファサードラタンは外壁の外付けブラインドだ」とおっしゃった時に、私はググっと惹きつけられました。外付けブラインドは窓につけるものです。窓の外側にブラインドをつけることによって真夏の日射遮蔽ができますし、光を入れることもできます。この優れた形が外付けブラインドなのですが、ファサードラタンは外壁にとっての外付けブラインドという意味合いでおっしゃっています。このすのこ状の外壁の温度を測ると、表面温度は南の暑いところで61.3℃くらいです。その下に防水シートがありますが、その下地は49.9℃で、11.4℃も表面温度が下がるとおっしゃっています。この前も黒い外壁は温度のダメージを受けやすいと言いましたが、ファサードラタンは少し黒っぽいような色をしていても熱を吸収しているんです。しかし、下のシートはどんどん低温なので、これはすごいなと思います。高気密高断熱の家でこれをやったからといって、ものすごく体感が変わると言った人はいないとおっしゃっていましたが、それでも良い影響があることに変わりはないと思います。これが私が見た目のかっこよさ以外に気に入ったところです。

そして、メリットをまとめて言います。まず1つ目は、外部の熱が伝わりにくいことです。2つ目は、風合いが面白いところです。私がかっこいいと思ったのはここです。建物は経年変化をしますが、これが劣化になるか、美化になるかは「味」です。人間の顔に年齢とともにシワができるのは当たり前ですが、真面目にしっかり生きてきた人のシワって「味」になりますよね。それと同じで、建物も「味」が出るというのは時が流れる以上、味が出る方が良いと思います。また、雨に濡れると木部なので色が変わります。そうすると、雨の日と晴れの日で感じが変わります。梅雨時や冬の乾燥した日でも変わるので、季節ごとに変わると言ってもいいと思います。この色の変化も味わいの一つです。

そして3つ目は、木を張ったら腐るのではないかと怖がる人がいますが、ファサードラタンに関しては非常に耐久性があり、メンテナンスなしで30年以上持つと言われています。私はこれをやったことがないので「らしい」ということしか言えませんが、30年経過している建物もありますし、経験豊富な方々は口を揃えて30年持つと言っています。もちろん、建物の部位や条件によっては劣化するところもあると思いますが、交換が簡単です。木材は削ればサイズも自由に調整できますよね。新建材のサイディングなどは数年で廃盤になりますが、杉の板は何十年経っても手に入るので、品番がなくなることはありません。部分的にクラックや穴が開いても大丈夫で、故障に強いという点も魅力です。

しかし、デメリットもあります。この断面を見てください。ファサードラタンはすのこ状に張っているので、その下に防水層が必要です。この防水層は雨が入るため、非常に耐久性が必要になります。私たちがいつも推しているデュポン社のタイベックシートより、さらに耐久性のあるものが推奨されます。例えば、ドイツのメーカーのウートップなどの超高耐久な透湿防水シートが必要です。もちろん、これらは高価です。しかし、このコストは惜しまないでください。また、すのこ状なので隙間が空いているため、雨水が入ります。実際に大量の水が勢いよく入った場合、防水シートが強力だからといって安心ではありません。基礎際の水切りはしっかりしたものにしておかないと、水が多い時にバシャッと跳ねて大量に入り込んでしまいます。角度が悪いと、基礎と土台の間に水が入ることもあります。ですから、この辺りの納めはしっかり行ってください。納めをしっかりするということは材料費や手間がかかるので、コストが上がるのはデメリットです。

また、ファサードラタンに関しては、軒の出があまりない方が良いと言われています。軒がしっかりあると、雨がかからない部分とかかる部分ができ、雨が降ると木の色が変わるため、色に統一感がなくなります。ある程度癖があり、ワイルドな雰囲気が出ますが、時にはバランスが悪く見えることがあり、これがデメリットかと思います。

木は時間が経つと、白木や杉の赤みという現象が起きます。紫外線にさらされると色が抜けて、最終的にはシルバーグレーになります。私は、このシルバーグレーになったファサードラタンが特にかっこいいと思います。張った直後もそれなりに味がありますが、時間が経った方がより魅力が増します。ココ・シャネルさんの「20歳の時の顔は親からもらったもので、40歳になった時の顔はあなたの功績」という有名な言葉がありますが、時間が経つと施主と家が織りなす功績のようなものが感じられ、良いと思います。ファサードラタンは、癖や経年変化を楽しめる心がある人におすすめの外壁だと思います。

ファサードラタンの流通はまだ少ないです。当社の新しいモデルハウスでは、一部にファサードラタンを使用し、一部は鎧張り、一部はガルバリウム鋼板の波板を張るなど、様々な素材を試しています。遠くから見たり、近くで見たりして、どんな感じになるかを知りたい方は、ぜひ実際に見に来て参考にしてください。

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