バズる動画の“コツ”伝授 Z世代を獲得せよ 企業の戦略とは?
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 Published On Jan 27, 2022

10代から25歳位までの若者、いわゆるZ世代と呼ばれる層の消費行動が商品の売れ行きを左右すると言われています。「Z世代に響くにはどうしたらよいのか?」その手助けをするビジネスが今、盛り上がりを見せています。

■なぜ人気?セルフ写真館 Z世代とSNS

東京・新大久保に多くの若者を惹きつけるスポットがあります。

日本初のセルフ写真館「刹那館」です。

“セルフ”という名の通り、被写体である客自身がカメラのシャッターボタンを押して撮影するスタイルです。

人気の秘密は、客のほとんどが選ぶ「モノクロモード」での撮影。なぜ人気なのでしょうか。

女性の利用客5人組:
「モダンな感じ?昭和レトロみたいな。加工より自然な感じで素が出ます。自分を飾っていないっていうか」
「ちょっと雰囲気が今とは違う感じでおしゃれだなと思います。(写真は)インスタに載せたり思い出として残したりします」

この日、出会った利用者の多くが20代前半のいわゆる「Z世代」。いまやZ世代の消費行動があらゆる商品の売れ行きを左右する事態となっています。

彼らが情報収集をする際に欠かせないのがSNSです。

男性:
「自分はインスタかTikTokから情報をもらって」

女性:
「まずSNSでお薦めとかに上がったものとかを調べて、友達とも情報共有して良いものを買う感じ」

■Z世代の獲得へ動き出す企業

こうしたなか、Z世代を獲得すべく企業でも動きが活発化しています。

2017年設立のZ世代に向けたマーケティングを支援する会社「FinT(フィント)」。約60人の社員のうち、Z世代が7割を占めます。

これまで、鉄道大手や紳士服チェーンなど累計100社以上のインスタグラムの運用をサポート。商品開発を手がけるケースもあります。

去年は、前の年と比べて5倍以上の問い合わせがあったといいます。

FinT 代表取締役 大槻 祐依さん(26):
「知名度の高い、認知度の高い企業もZ世代に対してのアプローチ方法が分からないということで問い合わせをいただいています。(Z世代は)バズらせ力が、一昔前とは全然違うのかなと思います」

この日、フィントのスタッフが訪れたのは、「クレディセゾン」。去年、若年層をターゲットにしたカードを作るなど老舗クレジットカード会社もZ世代の集客に乗り出しています。

クレディセゾンの担当者:
「Z世代のセゾンカードの認知ってところが今、会社としての課題かなと思っている。一番期待しているのは、Z世代の拡散力」

■カギは冒頭の“ひき”バズる動画の制作現場

Z世代を獲得したい企業からいま依頼が相次いでいるのがTikTokの制作です。

1月中旬、フィントのスタッフの自宅で撮影が行われました。撮影するのは、ホームセンター大手カインズの商品です。

フィントのスタッフ:
「この商品は『マイクロファイバークロス』という使い捨てで使えるクロスです」

担当の2人は、20歳の現役大学生です。台所の汚れや商品を、角度を変えながら手際よく撮影し会社で編集作業に取り組みます。

記者:
「(動画は)何秒ぐらいにするんですか?」

フィントのスタッフ:
「できれば15秒以内に収めたいです。30秒は長いなっていう勝手な印象があります」

動画は30分ほどで完成し、先輩スタッフにチェックを受けると・・・

フィントの先輩スタッフ:
「面白さも入れていきたいと思っていて、1ポイント何か入れられないかな?」

フィントのスタッフ:
「カインズは日本語で読んでもらって、マイクロファイバーは女性の英語音声でとか」

数日後、制作を依頼したカインズへ。動画を見た反応は・・・

カインズの担当者:
「すごく好きです。存分にふざけていただきたいんですが、せっかくなのでマイクロファイバーを英語の筆記体のフォントで入れてみるといいかもしれません」

そして話題は、すでに投稿した別のカインズの動画に移ります。

再生数は投稿から2日間で20万回に達し、現在、100万回を超えています。動画の再生数が伸びた理由について、カギは「冒頭」だといいます。

フィントのスタッフ:
「冒頭の“ひき”で、最後まで見たいなと思っていただけるかどうかって、すごくTikTok上では致命傷になりうるポイント」
「アルミホイルを切るっていうなかなか無いような行動をとっているで1つの“ひき”になった」

一方、この動画について当初、カインズ側は懐疑的だったようで・・・

カインズの担当者:
「『そもそも尺が短いね』と編集部内で意見が出ていて、物足りなく感じていたところはありました。でもZ世代には、短くギュッと詰まったものが刺さるんだなと痛感しました」
「Z世代の感覚っていうところをもっともっと僕たちが積極的に取りに行かないといけないなと。それは楽しみでもあるし、そこに対して危機感を感じました」

Z世代にとって何が有益な情報か。
どうすれば彼らに刺さるのか。
大人たちの摸索が続いています。(28日00:00)

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