和波たかよし様と岩崎淑様による、1970年代の貴重な録音です。学研から頒布されていたPiccolo というクラシックレコードのシリーズに入っていたものです。 これはおそらく掛け値なしの名演奏ではないかと思っています。いかが思われますか？　
私の耳の中に響くラフォリアはいつもこれです。緩と急のメリハリがはっきりしており、底辺に流れるテンポ感、エネルギー感が自然なのです。
ラフォリアとはイベリア半島に古くから伝わる旋律で、「狂気」を意味します。ドンキホーテやガウディやダリといった型破りの名士を輩出してきた土地柄。bilding the castle on Spain と書いて「砂上の楼閣」を意味する悲喜劇的な土地柄。無敵艦隊とおだてられながらイギリスのバイキングに財宝を横取りされ続けた誇り高い土地柄。もはや地政学には登場せず、歴史の中にしか登場しない、日の沈む処。ピレネー以南はアフリカとさげすまれる処・・・・・・。こういったエピソードから禁じ得ない哀しみを、見事に表現されています。