神田松鯉「赤穂義士銘々伝 天野屋利兵衛」
富知喜屋の講談やってみた?! 富知喜屋の講談やってみた?!
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 Published On Mar 15, 2020

さすがは人間国宝と言える松鯉先生の語り口。安心して聴ける講談だと思います。講談入門初心者の私にも分かりやすい内容です。

「天野屋利兵衛」は、多くの方がご存知のいわゆる「赤穂浪士」に出てくる、大阪の商人で、吉良邸討ち入りの際、赤穂義士を支援をしたとされる人物である。「天野屋利兵衛は男でござる」とは余りにも有名なせりふであるが、歴史の史実からすればフィクションの部分として歴史の研究家からすれば、定説となっている部分である。
 
この話が有名になった背景には、近松門左衛門が書いた「仮名手本忠臣蔵」が話として、有名になり、人形浄瑠璃や文楽で上演され長く親しまれてきた。もともとこの話は、赤穂事件を題材にしたものだが、時代背景を室町時代の軍記「太平記」に置き換え、大胆に脚色を加えられて創作されてきた物語であって、史実と脚色された部分が入り混じって完成された。

 しかし時代の人々の空想力と真実の探求は、色々なところで伝説を生み出した。「仮名手本忠臣蔵」では、「天野屋利兵衛」は十段目に「天河屋義平」という名前で登場する。密かに討ち入りの道具をそろえる堺の商人「天河屋義平」に対して、大石内蔵助なる大星由良之助が偽りの捕り手を踏み込ませ、義平の真意を探るという話の筋書きだが、討ち入りのクライマックスを迎える前段階として、なくてはならない話の部分となっている。

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